ウォーク出発前夜に問題勃発

去年のKチームのリーダーをやらせていただきました、いくりんです。
15,16,17日の短い期間ですが皆に会いたくてお手伝いに来ました。

今日は、明日から始まるウォークの準備でした。
準備も終わり夕食を食べ終えた頃…雲行きが怪しくなってきました。

なんと…明日からのウォークに行けないかもしれない…!
というのです。

理由は、サバイバルキャンプでの反省をしたばかりなのに、すぐ反省したことを忘れてしまうからでした。
しかも、崎野さんだけではなく、カイもウォークに行きたくない…と言っています。

ここで、少しだけ去年のKチームの話をさせて下さい。

Kチームは、野球大会はビリ、サバイバルキャンプでは火がつかずご飯はお預け、ウォークでは道に迷い…という悔しい経験をしました。
そのせいかはわかりませんが、今年の参加者には昨年のKチームの7人中、カイ、のぞむっち、よしかわ、たーさん、あーぴーの5人が来ていました。
しかも、今年のグループの班長はカイ、のぞむっち、よしかわのKチーム出身の3人がつとめていました。

1年ぶりに会ったみんなは、背が高くなったり、声変わりが始まっていました。
しかし外見だけではなく、何だか様子が去年とは違っていました。
「一段と落着きがみえるカイ…!!」
「あんなに夕飯の片づけをさぼっていたのぞむっちが、片づけをしない子を注意している!!」
「話し合いでの時間、よしかわが中心となってみんなに意見を聞いてる!!」
「小さかったたーさんが大きくなって、自分よりも小さな子の面倒をみている!!」
「去年はウォークの話をすると心配していたあーぴーの顔に、今年は自信がみえる!!」

「カイを説得出来なかったらウォークはなし、キャンプもおしまいだ。あとは好きにしなさい。」
と崎野さんが言いました。

とりあえず、シャワーと食器を洗いに水道場へとみんなが行きました。
私も一緒に行くと…脇目も振らずにお皿を洗うルカ、れっち、きょろの姿がありました。
マッチは、一人食器を洗うカイに「ウォークに行こうよ」と必死に声をかけていました。

「これからどうするの?」きょろに聞いてみました。
きょろは食器を洗う手を止めずに、「まずは反省する。」と言いました。
「反省するだけでいいの?」と聞くと、「反省を実行にうつさなきゃ。」と言い、黙々と食器を洗っていました。

シャワー室の方へ移動すると、暗闇から2人の影が私を呼びました。のぞむっちとよしかわでした。
「カイが目も合わせてくれないし、話を聞いてくれないんだ。
僕は、去年カイに本当に迷惑をかけたって自分が班長になって本当に感じた。
だから、カイの辛さもわかるから、なんて言ったらいいかわからないんだ。いくりん、どうしょう。」

私はここにきて2日目だったので、今までの状況を把握していません。だから、実際は違う面もあるのかもしれません。
でも、その真剣に悩む姿に、一生懸命な姿に、自分に相談してくれた事に…思わず目頭が熱くなりました。

子ども達は、話し合いを始めました。
夕食後に体調が悪くなったきょうへいも、眠たそうな子を気遣いつつ、カイのチームメイトに必死に話をしていました。
しばらくすると、カイのチームが、カイを含めた話し合いを始めました。

耳をすますと、カイの声が聞こえてきました。
「班長に年齢や学年は関係ないんだ。ルカが班長になったら、きっと素敵な班になると思う。年上だから任せていいとか、そんな事は関係ないし、そんな風に思っていたら最低だよ。」

私は全ての話を聞き取れませんでしたが、昨年カイと一緒にKチームだった時のことを思い出しました。

カイは以前に参加した時に自分が幼くても班長になりたいと思ったという話、どうやったら班がまとまるか必死に悩んでいたこと。
私自身も年齢にとらわれてみんなを見過ぎていたところがあったなあ、と反省しました。
また、カイだからこそ悩んだことがあって、今こうしてみんなと話しているのだろうなあと思いました。

そのあと、崎野さんを含めてみんなで話し合いました。
どうしてウォークに行くのか?誰の為なのか?眠たい目を擦りながら、全員が自分の意見を言いました。

夜中の1時半まで話し合いが続き、崎野さんは「また、おまえらを信じよう。」と言いました。
今年は、昨年とは違いリーダーという立場ではなく、だけど知っている子がたくさんいて、またほんの数日間ということもあり、昨年よりも気楽に楽しんで、子ども達と接する事が出来ました。

言葉は悪いですが、まさに「おいしいとこ取り」だったと思います。
本当に面白くて、帰りたくないなあと心底思いました。幸せだなあと思いました。
子ども達、スタッフの方々、素敵な出会いに感謝をして、大切に、私も頑張っていくぞ!!と何だか元気をもらいました。

明日からは、いよいよウォーク。
寝不足だけど、one for all all for oneで頑張れ!!!

最後に…、あーぴーがもじもじして私に話したことがありました。
「ねえ、いくりん。あと8年くらいたったら私、いくりんみたいな立場でまたキャンプに参加出来るかなあ?きっとこの先はあんまり来られないから。」

「出来るよ!あーぴーだったら。私が頑張ってあと数年で結婚してさ、子ども産んで。私の子どもがキャンプに参加して。あーぴーの班になったらいいなぁ。あーぴーがいくりんジュニアに怒るんだよ。机を拭きなさい!って。」 そんな日が来たら、いいなあ…と思います。                                     

(去年のキャスト いくりん)

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