ついに今日から、ガキ大将の森キャンプ中最後の大きなイベントであるウォークの始まりです。
子ども達は、4日かけてハローウッズから茨城県大洗の浜辺までを徒歩とカヌーで制覇します。
その距離、約70km。
一日目の今日は、那珂川の上流に向けて15kmほどを歩きます。
カラッと晴れた空の下を子ども達は班ごとに歩いていきます。
重い荷物を背負っている割には、みんな明るい表情です。
むしろ、ベースキャンプにいた時よりも話が弾んでいるように見えます。
いい天気と軽い運動が、みんなの心の壁を取り払ってくれたのでしょうか?
途中道を間違えながらも、和気あいあいとした雰囲気のまま、朝食場所までたどり着くことができました。
ところが、朝食後に変化が現れ始めます。
しばらく歩いていると、子ども達の足取りがだんだん重くなってきました。
みんな一歩進むごとに無口になっていきます。
明るい話題は消え去り、代わりに口をつくのは「暑い」「重い」という言葉。
そのうちに、班で荷物の押し付け合いがはじまりました。
備品を誰がどれだけ持つのかは、ウォーク前の準備で話し合ったはずなのですが……。
こうなっては、サンサンと輝く太陽も障害にしかなりません。
言い争いをすればするほど時間がかかり、時間がかかればかかるほど体力が奪われていきます。
そんな迷走しかけた班を、何とかしようとする班員たち。
一人はみんなが嫌がる荷物をすすんで持ち、一人は最後尾の子の背中を押してあげます。
でも、肉体的な疲れからか、コミュニケーションはやっぱり上手くいきません。
荷物を持つときも声かけをせず、むすっとしたまま地面に投げだされた荷物を背負って歩いて行く、という感じです。
なんとか昼食場所に着いても、みんなの表情は固め。
このウォーク中、子ども達はお互いに意思の疎通をはかり、助け合って進むことができるのでしょうか?
つらいからこそ、見えてくるものがあります。今後、天気予報は晴れマークが続いていますが、みんなの雲行きは怪しいようです。
(ワイド/矢嶋宏大)