ベースキャンプから歩くこと約二時間。
子ども達は、背負ったザックをやっと下ろすことができました。
段々畑のような地形に、張られた三本のロープ。すぐそばには沢が流れています。
ここが、今年の「みんなでサバイバルキャンプ」の舞台になる場所です。
「みんなでサバイバルキャンプ」の目標は、火をおこすこと。
しかも、ソロサバイバルキャンプの時のようなマッチの準備はありません。
いくつかくぼみの空いた板と細い木の棒を使い、摩擦の力で火種を作る、「きりもみ式」で火をおこします。
リーダーも挑戦してみましたが、想像以上の難しさです。
大人3人が大汗をかいてもなかなか火種を作ることができません。
この作業を子ども達だけでやろうというのです。
しかも、班員はほぼ小学生。今回ばかりは、班全員の協力なくして成し遂げることは不可能でしょう。
でも、子供達のチームワークは今ひとつ。
個人ではなんでもそつなくこなすことのできる子でも、みんなで力を合わせなければならない状況下では思うように力を発揮できません。
逆に、個人と個人の意見が対立してしまいます。やる気を失ってテントに引きこもってしまう子も。
殺伐としていく班の雰囲気。
なんとか空気を変えようと、周りの班員を励ます子も出てきます。
中には、ベースキャンプでは自分から声を出すなど想像できなかったような子が、必死で声かけを行う姿も見られました。
今までも班単位で何かをしなければならない状況は、多々ありましたが、今回は成功しないことには先に進むことができません。
果たして、子ども達は希望の火を灯すことができるのでしょうか?
(ワイド/矢嶋宏大)